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『魔性の子 十二国記』のあらすじと読むタイミング

2023 2/28
NOVEL FANTASY HORROR
十二国記 小野不由美 高校生
2023-02-28
目次

『魔性の子 十二国記』とは

刊行から30年以上経った今でも多くの人に愛され、絶大な人気を誇るファンタジー小説「十二国記」。圧倒的な世界観、魅力的なキャラクター、緻密な心理描写で読む人を魅了し続ける「十二国記」シリーズ、そのプロローグに位置付けられているのが『魔性の子』です。

『魔性の子』は「十二国記」シリーズの他の作品と異なり、「ホラー小説」と言われることが多くあります。スプラッターのような生々しい描写や怪奇なストーリー、背筋が寒くなるようなホラー色を持つと同時に、ファンタジー要素もしっかりと盛り込まれており「ホラー」と「ファンタジー」が上手く組み合わされた大変おもしろい作品です。

本記事では、『魔性の子』のあらすじ、おもしろく感じたポイント(完全に主観です)、「十二国記」30周年記念ガイドブックにおける小野 不由美さん(「十二国記」シリーズの著者)のインタビューについてお話します。

『魔性の子 十二国記』のあらすじ

人は誰も何かしら異端だ。身体の欠けた者、心の欠けた者、そんなふうに誰もが異端だ。異端者は郷里の夢を見る。虚しい愚かな、けれども甘い夢だ。

魔性の子 十二国記

登場人物

主な登場人物は、高校生の高里 要(たかさと かなめ)と教生の広瀬(ひろせ)です。
後藤(ごとう)は、登場人物として挙げられることが少ないのですが、存在感のあるキャラクターのため、本記事では登場人物として挙げています。

あらすじ

大学生の広瀬は、教生として母校である私立高校に帰ってきた。高校時代に親しかった化学教師の後藤が担任を務めるクラスで教育実習を行うことになった。そのクラスには、周囲とは雰囲気を異にする生徒、高里 要 がいた。高里は、小学生の頃に”神隠し”に遭ったことがある少年であった。そんな彼の周囲では、ある噂がささやかれていた。

 「高里は祟る」
 「高里の祟り」

高里を怒らせた者は、怪我や事故に遭い、最悪の場合死亡すると噂されていた。そのため、高里はクラスに馴染むことができず、孤立していた。自身も学校に馴染むことができなかった広瀬は、高里に興味を抱き、その興味は次第に強い共感へと変わっていった。

そんな中、高里の周りで死亡事故が立て続けに起こり、広瀬は「高里の祟り」の真相を探ろうとしたが…。

「高里 要」とは何者なのか。「高里の祟り」と”神隠し”は関係があるのか。

『魔性の子 十二国記』ここがおもしろい!

ゾワゾワっとするようなスプラッター描写や恐怖心を徐々にかきたてるストーリー展開はもちろんのこと、それ以外にもおもしろいポイントがたくさんあります。「FAVE POINT」と題して、本記事では、3つのポイントに焦点をあててお話します。

FAVE POINT
  • “故国喪失者”の行く先
  • 「後藤」の存在
  • 読む順番によって印象の変わるストーリー

FAVE POINT 1 “故国喪失者”の行く先

『魔性の子 十二国記』で度々見られることば ― “故国喪失者”
自分自身もそのひとり。今読んでいるあなたも、もしかしたら…。
 
 「自分の居場所は、ここじゃない」
 「自分が本来いるべき場所は、ここじゃない」
 「自分を受け入れてくれる場所が、ここじゃないどこかに、きっとある」
 
誰しも一度は、経験したことがあるのではないでしょうか。
何もかも上手くいかないとき。世界から拒絶されていると感じたとき。孤独を感じたとき。
ありのままの自分を温かく迎えてくれる場所が別の世界にきっとある、と考えたことはありませんか。

広瀬は、幼いころに臨死体験をしました。そのときに見た風景、行った綺麗な場所こそが自分の本当の居場所であり、自分は今いる世界の人間ではないと感じ続けています。挫けそうになるたび、滅入るたび、人間や世界を恨むことができればいいのに、恨むことができず、自分の本当の居場所に帰りたくなる。しかし、そこへの行き方は分からない。帰りたくても、もう帰れない。

“故国喪失者”の広瀬が、同じく”故国喪失者”の高里と現実主義の後藤との関わりの中で、何を考え、どこへ行くのか。

FAVE POINT 2 「後藤」の存在

学生時代に家庭の外でいちばん身近な大人といえば、教師ではないでしょうか。良くも悪くも影響を及ぼす存在。この作品では、広瀬に影響を与えた人物として、「後藤」が描かれています。

後藤とはどのような人物なのか、また、広瀬にどのような影響を与えるのか。

「後藤」とは?

広瀬の教育実習の担当教官で、かつては広瀬のクラス担任でもありました。同級生や教師と上手く付き合えず、学校に馴染むことのできなかった広瀬が唯一耳を傾けたのが、後藤のことばでした。
 
後藤がいる化学準備室には、教室に居場所のない生徒がよく集まります。
コーヒーやお茶は「ビーカー」に注いで飲みます。
 
後藤の趣味は絵を描くことで、素人離れした上手さ。その絵には学校が登場することが多いのですが、人間が描かれることはありません。

自分自身のことを「はみ出し者」と言っていることからも、少し風変わりな教師であることが分かります。

普段は、荒々しく、また冗談めかしたものの言い方をするのですが、生徒を尊重し、考えるきっかけを作っているように感じられます。
情に厚く、人間くさい部分が見られる人物です。

「後藤」のことば

誰だって全部の人間に良くしてやれるんならそうしたいさ。しかし順番を決めなきゃいけないときもあるんだよ。全員を好きだってことは、誰も好きじゃねえってことだ。少なくとも俺はそう思う

魔性の子 十二国記

人は汚い卑しい生き物だよ。それは俺たちヒトが背負った宿命で、人に生まれた限りそこからは逃げられやしない。エゴのない人間はいねえ。我欲のない人間は人間じゃないんだ

魔性の子 十二国記

見たくない人間の暗い部分。目をそらしたい理不尽な世界。それらを拒絶する者に現実を突きつける後藤のことば。一見突き放しているようで、人間の汚いところも浅ましいところもすべて受け入れ、存在を認めることば。

ストーリーの後半では、後藤のことばによって、広瀬は自身の受け入れがたい事実に気づかされ、葛藤に苦しむことになります。広瀬は、果たしてその事実を受け止められるのでしょうか。
 
「後藤」は「十二国記」シリーズの他の作品とは関係のない人物ですが、人間や世界の暗部と向き合っていく姿勢は、他の作品に通じるものがあると感じます。

FAVE POINT 3 読む順番によって印象の変わるストーリー

冒頭でも述べたとおり『魔性の子』は「十二国記」シリーズのプロローグ “Episode 0” として刊行されています。そのため、刊行順に読むのであれば一番最初に読むのがこの作品。しかし、ストーリーの繋がりから「十二国記」シリーズ Episode 2『風の海 迷宮の岸』の後に読むことをオススメする場合が多いようです。

 最初に読む方がいいの? Episode 2 の後に読む方がいいの? いいえ、オススメは両方!

どちらの順番で読んでも楽しむことができるのは間違いありませんが、より楽しむことができるのは「十二国記」シリーズの他の作品を読む前に一度読み、Episode 2 『風の海 迷宮の岸』を読んだ後でもう一度読む”よくばりパターン”です。そうすることで『魔性の子』という作品に対する印象、登場人物の見方やストーリーの捉え方がガラリと変わり、二度楽しむことができますよ。

『魔性の子 十二国記』小野 不由美さんのインタビュー

2022年に発売された「十二国記」30周年記念ガイドブック。その中には、小野 不由美さんのロングインタビューが掲載され、『魔性の子』の知られざるエピソードについてもお話されています。

『魔性の子』の裏側
  • 仮のタイトルは『滄海の東 扶桑の外』
  • 『魔性の子』執筆時、「十二国記」の世界の漠然としたイメージが、すでにできていた
  • 高里のキャラクターづくりにおいて、「小さいころは無邪気だったけど、いろいろあって”自分はダメな奴だ”というところに落ち込みました」というものが含まれていた

まとめ

『魔性の子』は「十二国記」本編とは異なる雰囲気を持つ作品であるため、この一巻だけでも楽しむことができます。しかし、本編 Episode 2 を読んだ後もう一度読むことで、さらに楽しむことができるのではないでしょうか。その際、本編との類似点を探しながら読んでみるのもまた楽しいかもしれませんね。(* ホラーが苦手な方は、この作品を読まなくても「十二国記」の本編を十分楽しむことができます。)

『魔性の子』を読んで「ここがおもしろかった!」「ここが本編と似ていると思う!」など、ご自身が感じたこと気づいたことをコメントでぜひお聞かせください!

作品概要

  著者/作家小野 不由美(おの ふゆみ)
  出版社新潮社
  フォーマットソフトカバー、491ページ
  電子書籍なし(2023.2 現在)
  シリーズ十二国記
  カテゴリーファンタジー、ホラー

著者/作家

小野 不由美(おの ふゆみ)
  • 大分県中津市生まれ
  • 配偶者:綾辻 行人(ミステリ作家)
  • 大谷大学在学中に京都大学推理小説研究会に在籍
  • 1988年『バースデイ・イブは眠れない』でデビュー
  • 1993年『東亰異聞』 日本ファンタジーノベル大賞 最終候補
  • 2013年『残穢』山本周五郎賞受賞
  • 代表作『ゴーストハント』シリーズ

「十二国記」シリーズ

2021年に刊行30周年を迎えた「十二国記」シリーズは、今住んでいる世界と現実には存在しない異世界からなるファンタジー小説です。

異世界には十二の国があり、十二の「王」と十二の「麒麟」がいる。麒麟は天命により王を選び、王は国を治める。

それぞれの国で起こる問題や国同士の関わりをとおして、国とは何か、天命とは何か、人を信じるとは何か、生きるとは何か、さまざまなことを考えさせられる作品です。

「十二国記」シリーズは、おすすめのファンタジー小説として度々とりあげられ、長年多くの読者に愛されています。また、日本だけではなく、外国語に翻訳され海外でも広く読まれています。

2002年にはアニメ化され、アニメがきっかけで原作を読み始めたという方もいるのではないでしょうか。

これまでに15巻が刊行され、まだ完結していません(2023年現在)。

  十二国記
Episode 0魔性の⼦(ましょうのこ)
Episode 1⽉の影 影の海(つきのかげ かげのうみ)〔上〕〔下〕
Episode 2風の海 迷宮の岸(かぜのうみ めいきゅうのきし)
Episode 3東の海神 ⻄の滄海(ひがしのわだつみ にしのそうかい)
Episode 4風の万里 黎明の空(かぜのばんり れいめいのそら)〔上〕〔下〕
Episode 5丕緒の⿃(ひしょのとり) * 短編集
Episode 6図南の翼(となんのつばさ)
Episode 7華胥の幽夢(かしょのゆめ) * 短編集
Episode 8黄昏の岸 暁の天(たそがれのきし あかつきのそら)
Episode 9白銀の墟 玄の月(しろがねのおか くろのつき)
〔第一巻〕〔第二巻〕〔第三巻〕〔第四巻〕
NOVEL FANTASY HORROR
十二国記 小野不由美 高校生
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